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日々の破片

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2026-03-15

_ 神々の黄昏

スカラ座で神々の黄昏。

第3夜の幕は指輪(最初、穴かと思った)。特に神々の黄昏では開幕や場面展開などとにかく幕が上がるたびに舞台美術に意表を突かれる。マクヴィカーの演出はやはり普通ではない。

3人のノルンはブリュンヒルデの岩山の逆側で始まる。第1のノルンはおそらく急遽変更でメイヤー。

そのまま岩山が回転してブリュンヒルデ登場。眠っているジークフリートを起こす。ジークフリートは良く寝たのか、抜群に通る声で歌う。フォークトは本当に好きな歌手だ。

ジークフリートの、大切なことはたった一つブリュンヒルデを愛すること! からどんどんテンポを上げていって凄まじい盛り上がりとなりティンパニー奏者が途轍もない音を出す。というか、ここまで鳴らすか? と驚嘆する。ヤングのドラマ作りは抜群に素晴らしい。そのままライン下りになだれ込む。こんなにエキサイティングなライン下りは初めてだ。音作りが凄すぎるからか幕は下したままでウォーナーの森の小鳥が遊びにくるような余分な演出はなし。ミラノまで足を運んだ価値がある。

(それはそれとしてスカラ座ってこんなにへたくそなオーケストラだったか? という感じはそこら中で受けるが、要は4夜ぶっ通しをしかも異なる指揮者で2回だけという変則的な公演なうえに、バイロイトと違ってそれほど頻繁に楽団員が演奏する演目というわけではないので、単純に練習不足なのだろう。が、それはどうでも良いほど、舞台の上の見事さとヤングの指揮っぷりだった)

第3場の幕が開くとフリークショーなのか? と奇天烈なギビッヒの館(のホール)。

ハーゲンは実にドスが効いた声の上に威風堂々で全然顔色悪いから仲間に入れない怪人には見えない(グロイスボック)。一方、グンターはいかにも若い領主っぽい衣装で、どちらもかっこ良い。グートルーネは実にグートルーネ(第3のノルンと二役で、ノルンはマイヤー以外なんかぱっとしないなと思ったが、グートルーネはきれいな声で良い)。

特に異常な演出もなく舞台の上では淡々とハーゲンが陰謀してグートルーネが実行してジークフリートがグートルーネを目で嘗め回す。筋書き通り。ハーゲンが乱暴にグラーネを馬小屋へ連れていく。

そのままヴァルトラウテとブリュンヒルデの喧嘩となり(ヴァルトラウテの馬が大活躍)、隠れ頭巾のジークフリートがノートゥングに誓う。

2時間息を尽かせぬむちゃくちゃに濃い1幕だった。

2幕。夢見るハーゲンとアルベリヒ。アルベリヒがなんか妙に油っけを抜かれた仙人みたいに登場(歌手も変わっているが、幽界へ行ってしまったからという演出かな?)。

ギビッヒのホールの壁が開くと向こうにファフナーのでっかな骸骨が飾ってある(というわけではないとは思うが、せっかくでっかな骸骨を作ったので流用したのかな)。

ハーゲンのハイホーっぷりはなかなか良い。実にさまになっている。

ブリュンヒルデは紐に繋がれて連行されてくる。ジークフリートが槍に誓ったあとのひったくって自分も誓うところの流れが実に迫力ある。本気でブリュンヒルデは混乱し怒っている。ニールンドってうまいなぁ。

あまりのことにグートルーネはすんなり結婚する気がなくなって抵抗するのをジークフリートが無理やり引っ張っていく。この演出はおっかない。ジークフリートが完全に薬でおかしくなっているのを強調しているようだ。

3幕、ラインの乙女が沼のようになったライン(でっかな手のような岩が突き出している)で歌いだす。この人たち、実にラインの乙女らしいきれいな声で美しいが、妙に迫力がある。

ハーゲンが、鴉の歌も理解できるか? で、2羽のカラスが飛び立つ。しびれる演出。期待通り、ワルキューレで出てきた被り物カラスが空を飛び去る。

ジークフリートが倒れると(直前のブリュンヒルデの救出の歌の美しさ!)、ギビッヒは全員去って一人取り残される。2人、見たことのない人が現れると、後からもう一人折れた槍を持った男登場。あー、鴉の報告を受けて鴉とヴォータンがやってきたという演出なのか。これは良い。

葬送行進曲も聞かせる。

この演出ではブリュンヒルデがグートルーネを偽りの花嫁と罵る場面はそれほど痛烈ではなく、ジークフリートが死んだことへの思い側に倒した演出に見える。

ラインの黄金のヴァルハラ(の階段)が現れ、神々が倒れていく(という演出だと思う)。最後、ラインの中で金色の仮面を取り戻した黄金が踊りながら、アルベリヒを沈めて殺す。連環をきれいに閉じた(だから幕もリングなのかも)。

終わったあとの拍手がないほど沈黙、余韻がすさまじい、誰かが拍手したとたんにシー!とたしなめる声。そしてヤングがピリオドを打つと万雷の拍手。

良かった!


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