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日々の破片

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2018-05-20

_ バロッサのカレーペーストが美味しい

四谷の丸正に行ったら、やたらとBAROSSAのカレーペーストというのを押していて、つい買ってしまった。

なんか、ぱっと見はレトルトカレーに見えたが、パウチされたペーストだった。まあ、それはそれでありか。

で、買って作り方見ると、鶏肉と生クリームとか書いてあるから、それも買って、玉ねぎいためてペースト混ぜて、水600cc(1パウチで4人分くらいという量)入れたら、真っ赤になった。すげぇ辛そうと妻がびびるが、食べてみたら見た目ほど辛くはない。というか、本気で辛ければ、パッケージにもそう書くだろうが、別に辛いとも甘いとも書いてはなかった。

ふと気づくと、仕上げの生クリームを入れずに、ばくばく家族で食いまくってえらく満足した。

というか、とてつもなく美味しい。

レストランの味! というパウチのカレーソースとしては、これまでDELI一択と思っていたが、おれはバロッサのほうが美味しいと思う。

というわけで、どういう仕入れしているのか知らんが、1回こっきりの様子見だったらやばいので、丸正に行って、しこたま買い占めた。

が、良く見ると、2階の肉コーナーの脇(丸正本店は古びたビルなので、なんか汚くみえてあまり好きではないのだが、扱っている商品(高級過ぎて買えない魚(竜宮の遣い2万円とか。あー食って見たかったが、価格が価格なので買ってうまくさばけるとは到底思えないし(手がふるえちゃうよな)そもそもどうやって食えば良いかもわからん)とか牛肉とかもある)といい、陳列といい、えらくうまい)だけではなく、1階の普通のカレーソースコーナーにも置いてあったりして、単に押しまくっているだけだとわかった(特設コーナーだけなのかと思った)。で、大量買い占めを、適度な買い占め程度に抑えることにした。

それにしても、これは美味しいと思って、さてバロッサってなんだ? と(デリーとかナイルとかと違って、ずいぶんと新参だよな? と)調べたら、カレー専門店ではなくて、それも驚きだった。

バロッサ(食べログ)


2018-05-13

_ ネコ以外のネコ科は滅びの道を往く

妻がなんかテレビでチーターが走るところを観ていたので、途中まで一緒に観ていた(というか、妻は途中からいなくなった)。

チーターの筋肉の動きが実に美しい。子供はとても頭が丸くてかわいい。

どうもネコ科についての番組っぽい。

ヒョウがワニを仕留める。噛み付く力は200kg、自重は100kg近くあるのを、ヒョウは川に飛び込み脊椎を牙でくだき、血の匂いを嗅ぎつけて他のワニが攻め込む前に岸にひきずり上げて灌木の茂みまで運んでバリバリ食べる。

チーターがガゼルを追う。チーターの体重は40kgなのでガゼルくらいしか倒せない。子供も一緒にむさぼり食う。美しい。

ヌーを狩りする雄ライオン3人組。ライオン3人がかりでやっと仕留める。その間ヌーは一斉に逃げるが、1頭が襲われると逃げるのをやめてそれを眺める。2頭目は襲わないと知っているのだな。

ライオンのメスがチーターの縄張りに入ってくる。チーターの匂いがしたからだ。

ナレーションが入る。

匂いを嗅ぎつけてメスライオンはチーターの子供を殺しに来たのです。

考える。チーターの子供はヌーなんかと違って食べるエサとしては意味がない。それなのに殺すとしたら、同じく肉を食べる敵だから排除しようということだな。

ナレーションがライバルは、と続いたので考えが正しいことを知る。

チーターの母親はライオンのメスを挑発する。ライオンはチーターを追う。が、追いつかない。というか、本気でライオンは追っていないように見える。そこでチーターがまた近づく。何度も繰り返すうちに、雌ライオンは疲れたのかゆうゆうと引き返していく。が、母親に近づいてきた子チーターを一人噛み殺す。そして去っていく(確かに、まったくこれっぽっちも食べようとはしない)。

ナレーションが入る。チーターの子供が大人になるのは5%です。今見ているチーターの母親はもともと3人の子供を持っていた。今、残り60%となった。が、確率的には残りの2人も殺されて終わるわけだな。

どう見ても、肉食獣はわりに合わない。食べ物が極度に限定されているからだ。ヌーの余裕っぷり(いちおう、かたちばかりは逃げるが、1頭食べさせるとあとは高みの見物態勢になるし、近くにトムソンガゼルが来ても別に気にもしていない)に比べてせせこましい。

それにしても、チーターが体をしならせて走り出す姿があれほど美しいものだとは知らなかった。


2018-05-12

_ 怪奇小説日和

MA2さんがFBでおもしろがっていたから、おれも買って読んでみた。ちくまもさっさと電子書籍出せ。

英国の20世紀初頭を中心とした怪奇小説(幽霊譚からサイコキラーものまでいろいろ)を集めているが、抜群なのはドン・ファン・グスマン・デル・プルガル、ミラモルの伯爵の永久墳墓での冒険を描いた七短剣の聖女(ヴァーノン・リーという人が書いた)だ。豪華絢爛な描写(いちいちドン・ファン・グスマン・デル・プルガル。ミラモルの伯爵と主人公の主語を書くところも含めて)が圧倒的に楽しい(というか、おれは人口楽園の描写が好きなんだな、と、先日観た空海の極楽の宴もすごく好きだったし、江戸川乱歩の末裔なのだろうか)し、最後の謎にどう答えるかのサスペンスといい、素晴らしい。この作品に比べてしまうと、ダポンテ・モーツァルトも相当にかすんでしまう(が、エルビーダが出てくるのでそこはおお、おなじみの名前だ、と楽しい。というか、ドンナアンナの名前が出てこないので、ドンナアンナと騎士長を巡る物語が始まるのかと思ったら、全然違った)。

列車もおもしろい。1950年初頭か終戦直後だと思うが、女性二人の微妙なハイカーの物語。最後、翻訳の問題かあるいは作者の曖昧描写のせいかはわからないが、2種類に解釈できる言葉が出て来るので(多分、婚約側だとは思うのだが)解釈は難しいが、そもそもはヘンリージェイムズのお国柄だ、すべては解釈できず、すべてを知ることもできない、ので、それで良いのだろう。という点からは陽気なる魂が抜群におもしろい(短いのもあって5回読み返したが、全然わからん。最初は輪廻するというか館にとらわれる物語かと思ったが、そうではなく立場の変化に過ぎないような気がしているし、単なる誤解の物語のような気もする)。もしかすると、加齢によって読解力が落ちたのかも知れない。その分、何度でも解釈し直せるので楽しいとも言える。

ターンヘルムはできの悪いヴァグナーみたいだが、ミーメの役回りがぷくぷくした感じが良い人で、ハグリットそっくり(というか、性格、容姿、行動、どう読んでもハグリットなので、ローリングがハリーポッターを書くにあたって引用したとしか思えない)なスティーブンスがおもしろかった。というか、ハリーポッターの原型に読めるんだよなぁどうあっても。

というわけで、英国人は気分が悪い連中で、怪奇小説を書かせたら世界でもっともうまい連中なのは間違いない(創元文庫の5冊組を読んで確信したことを再確認した)。

怪奇小説日和: 黄金時代傑作選 (ちくま文庫 に 13-2)(西崎 憲)

#1番の怪奇は、同じオチの作品があると書いてある解説で、どれだかわからない。多分。


2018-05-06

_ 1789

帝国劇場で1789。

思い起こせば、忘れちゃったけど5年位前にかずひこさんにおもしろそうなフランスのCDを買ってもらったことがあって、そのときかずひこさんが選んだのが、モザールだった。

Mozart L'opera Rock / Ocr(Mozart L'Opera Rock / Ocr)

なんだこりゃ? と思ったらミュージカルで、筋書きはミロシュフォアマンのモーツァルトと同様にサリエリが嫉妬にかられてモーツァルトを追い詰める話になっているのだが、個々の曲がなかなか良い。

特にモーツァルトがパリで売り込みしているところの今晩君のベッドに連れてってという歌とか(そんな歌ないなと思ったら、入れ墨してくれ、という題だった)、ザルツブルクから逃げ出すときに歌う、通過点(スピード感があって、リベルテという言葉が実にかっこよく歌われる)が好きだが、それよりも、とにかくアニメ声の女声陣に驚いた。で、これが悪くないというか、積極的に好きだ。特にモーツァルトのお姉さんがレオポルトが死んだときに歌う私の天使眠りなさいとコンスタンツェのもしも私がしくじったら、が気に入った。

というわけで、この作曲家が気に入ったので、DVDで太陽王、1789、モザールの3枚組を買って見まくった。それにしても、女声陣、声はアニメ声なんだが、実際は妙に立派な女性(大人)でその落差にまたしびれる。

3 grands spectacles : 1789, les amants de la Bastille + Mozart, l'opéra rock + Le Roi Soleil

で、まあモザールはミロシュフォアマンもどきだし、太陽王はまったく興味がないので観ないで、1789ばかり観ることになった。なにしろ、パレロワイヤルを子供を連れてダントンがのし歩き、ロベスピエールがテニスコート(じゃないが)で踊りまくり、デムーランが銃を取れと叫ぶんだから、おもしろくないわけがない。

(パレロワイヤルをのし歩くダントン。肖像画に合わせてブ男だから子供と娼婦しか相手をしてくれないという設定になっている)

で、これまたマリーアントワネット、主人公の農民の妹(ダントンの恋人)、主人公と愛し合うルイフランソワの養育係にしてバスティーユ弾薬庫の警備隊長の娘(ご都合主義の設定)がアニメ声で歌いまくるわけだが、これも実に気分良い。

それにしても、なぜこうもアニメ声なんだろう? と不思議になるわけだが、子供に言わせると、フランス語は比較的舌先で発話する(あとは鼻に抜かす)のでアニメ声になりやすいのではないか、ということで、言われてみればおれが好きなLioも相当にアニメ声の歌手だな。

というわけで、作品が好きなのでよほどのことがなければ舞台を観てうんざりするわけがなく、当然のように楽しめた。それにしても、イケメンぞろいなのに、ダントンだけはメークのせいか美形ではないように扱っているのがちょっとおもしろい。シャルロット(ダントンと出て来て、そのあとは機械仕掛けの神のように振舞う謎の子供)役が実にうまくて良かった。あと、子供も言っていたが、ロベスピエールの踊りが抜群で、エーベルとの闘争(これは必要だったけど)とかダントンとの闘争とかせずに、ふつうに踊っていればテルミドールを招かなかっただろうなぁとか。

前回観たときは、マラーがマラーとして印刷所を切り盛りしていたような記憶があるのだが、今回はマラーはマラーとしては出てこなかった。が、全体的に台詞をいじったのか、ずいぶんとつながりがわかりやすくなっているように思えた(1789年に何があったか知らん人のほうが多いだろうからつながりを良くするのは重要だとは思う)。

それにしても、ルイ16世が錠前を作ってマリーアントワネットにプレゼントしようとしたり、半月形のギロチンの刃を斜めに改良したりとか、伝説的な史実をいろいろ入れてきているのも楽しい。

舞台的な演出としては、マリーアントワネットの登場シーンは素晴らしい(オリジナルの舞台より日本版のほうが素敵だ)。

というわけで、サンドニ寺院には天使が舞い降りる。

最後人権宣言を読み上げて幕。人権宣言は名文だとつくづく考える。舞台だと自然権の行使の箇所を他人に害を与えない限り何をしても自由のような言い方に変えている(途中、どこにもラファイエットは出てこないが主人公の学習の成果として何度も口にする)が本質的には間違っていない。

#パリの主婦によるパン屋襲撃のところに相似な構図を何かで見たか読んだかしたなぁと思って考えていたが、伊藤野枝が大阪の米屋襲撃事件に介入するところか(大阪の米屋と違ってパリのパン屋は小麦粉が実際にないのでパンを売れないという設定になっているが、本当にそうだったのかどうかはわからん)。

Music From: 1789, Les amants de La Bastille(Musical Mania)

(買っちゃた)


2018-05-04

_ 丸美屋のアニー

子供が一昨年か一昨々年に見て来て、一緒に行こう、おもしろいよ、と言われていたアニーを観に新国立劇場。

箱は新国立劇場だが、丸美屋がスポンサーのようだ。

当然ながら子供が多いが良いことだ。

物語はうまくできていて、実に楽しい。子供を殺すことも平気な悪役は出てくるが、全体的に良い感じなのは、(子供が言っていたが)富豪を含め、みんな良い人だからだろう。

ミュージカルとしては良い舞台だし、作品だということはわかった。おもしろかったし、楽しめた。

が、内容はいろいろ思うところがある。

そもそもミュージカルでアニーと来たら銃を取ると思っていたくらいに知らなかったわけだが(子供にその時、違うと教わった)、なんとも、現代に通じる物語だなと思って後から調べたら、原作はオイルショックの頃で、スタグフレーションになっていた時代だ。そこからデフレになっていた世界不況期のアメリカを重ねたと考えられる(観ている間は赤狩りのころか、さもなければ日米貿易摩擦の頃に成立したミュージカルかな? と推測していた)。

というわけで、11年も父母から音沙汰がなく孤児院で暮らしているが希望を失わずに元気いっぱい、明るく、愉快で、人当たりが抜群な赤毛でソバカスの白人中の白人の女の子のアニーが、不況で工場を閉鎖し労働者を解雇することに悩む経営者や、ルーズベルト大統領と取り巻きの頭脳集団に対して、現状がどれだけだめでも希望を失わないことを教えて、強いアメリカを取り戻そうということがテーマになっている。

ただ、日本人を狙い撃ちで強制収容した差別主義者のルーズベルトはともかくとして、ここでの経営者が、初代だという点はとても重要だと思う。

貧乏のどん底から汚いことにも手を染めながらのし上がって来た男だけに、明日は我が身感に根差す真摯な弱者に対する共感があるからだ。これが物語に説得力を与えている。

したがって、アニーが友達をパーティーに呼ぶなら、まずは使用人のなんとかさんと……と言い出したときに、なるほどそれは良いアイディアだと同意して、友人のなんとかさんとして使用人たちを扱うのもおかしくはない。というか、とても自然な流れでパーティーを楽しいものにしている。

これがイギリスなら階級がそもそも違うから意味わからん、となって撥ねつけそうだ(それはそれで別のストーリーが生まれることになるだろう)。

あと、三代目もお話にならないだろう。そういうものだからだ。現在進行中だな。

(ふと思い出したいが、ゴッドファーザーでも初代のマーロンブランドは恐ろしい男だが人間的にはとても良いやつなのに、三代目のロバートデニーロは危険極まりない非人間として描かれていたなぁ。組織を作る立場と、組織を守る既得権益側だと同じ家族でもずいぶんと違うってのは万国でわりと共通なのかも)

犬とアニーのシーンでは、警官がやたらと人情味を見せるが、同じ警官が浮浪者に対しては職務に厳格に忠実なのが、いかにもありそうでおもしろい(主人公がアニーである必然だ)。

というわけで、30年代のアメリカを舞台に70年代のアメリカに対する応援歌を2010年代に日本で見ると、共通点はあるものの、根本のところが異なるので、なんか微妙な味わいがあった。


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