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日々の破片

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2014-02-05

_ 藤原歌劇団

2/2は藤原歌劇団のオリィ伯爵を観に上野の文化会館。

藤原歌劇団は初見だが、目当てはオリィ伯爵を歌うシラグーザなのだ。国立のチェネレントラを観てから一発で気に入ったので、当然、観るでしょう。

オリイ伯爵は、ロッシーニらしい実にくだらないオペラで、曲もランスへの旅の多重唱曲を使いまくるは、例によって嵐は来るわなのだが、これぞオペラブッファという作品。

で、舞台セットはちゃち(子供によれば学芸会なみ)だろうがなんだろうが、実に楽しめた。というか、藤原歌劇団のソリストたちも達者なものだ。ランボーはランボーで楽しいし、アデル伯爵夫人(いや、これも例によって爵位の翻訳の難しさだろうが、伯爵令嬢なのだがコンテスなのだ)はアデルっぽいし、イゾリエは小姓っぽい。

オリィ伯爵の子分の騎士たちの修学旅行騒ぎ(部屋の中で酒盛りしながら放歌高吟していると、城の女性が見回りに来る、するとぱっと酒を隠して変装しなおしてお祈りを歌う(初回)、また放歌高吟、酒盛りしながら大暴れ、そこに女性が見回りに来て、あわてて変装し直してお祈り(今度は沈黙。すでに酔っぱらっているので歌えないという細かなシナリオ)。

アデルの寝室でのイゾリエ、アデル、オリィ伯爵の入り乱れての三重唱では、メトの演出のようにベッドの中での大騒ぎとはせずに、椅子を中心とした入れ替わりだが、それでもうまく位置を変えて飽かせずおもしろい。というか、シラグーザの声は好きだなぁ。

実に楽しい3時間だった。

Rossini : Le Comte Ory [DVD] [Import](Didonato)

ディドナートのイゾリエ、フローレスのオリィ伯爵、ダムラウのアデルと役者をそろえて、3重唱では斜めに立ててベッドの中で何をもぞもぞしているのか良くわかるような演出までしているので、つまらないはずはないメトのDVDも素晴らしい。騎士たちの修学旅行のばかばしいまでの面白さはこっちのほうが上だけど、でも、藤原歌劇団も良かったな。というか、シラグーザの声が好きなのだからしょうがない。


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