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日々の破片

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2012-06-13

_ 半分他人のおれ

子供が本当の赤ん坊をちょっと越えたくらいの頃(まだ乳児ではある)、こんなことがあった。

夏を控えて(ということで思い出したが、つまり11か月目くらいだな)散髪に行って髪の毛をばっさり切ってきた。忙しくてずーっと伸ばしっぱなしだったから、ほとんど刈り上げが入ったおれを見るのは、多分、はじめてのことだろう(ほとんど見えてないような頃は別として)。

で、いつものように、食卓につくと、子供がひきつった顔をして、おれを避ける避ける。(いや、正確にはおびえきった顔をしておれを見ているという感じだった)

ははー、髪を切ったから見知らぬ他人と思ったんだなぁとかその時は思ったわけだが(妻が、ほらほら、いつものやつでしょ、みたいなフォローをしてくれても、とにかくおびえていたのはわかった)、それにしても、ちょっと妙な気はした。あまり人懐こい小僧ではないが、だが、そこまで人見知りというわけでもないからだ。両親が来たとか、保険所のおばさんが来たとかでも、あそこまでおびえた様子はなかった。

で、母親と他人の狭間 -赤ちゃんが示す「不気味の谷」現象を発見-だ。

これはすげぇおもしろい。

元の研究=1970年(というのを実はこれ読んで知ったくらい、不気味な谷現象というのは、おれは例のアバター以降のCGの文脈でしか知らなかったわけだが)に、こういう分野へ適用されるとは考えもしなかっただろうなぁ(そのくらい、モーフィングやビデオ合成の技術が進歩してるってことだけど)とか、実に奥が深いおもしろさに満ちている。

で、これを読んで、ふと、上のことを思い出した。というか、忘れられないくらいに、印象的だから当然、あてはめたくもなる。

というわけで、あの時のおれは、子供にとって不気味の谷から這い上がる半分父さんに見えたのかも知れないなぁ。

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_ ムムリク (2012-06-13 22:32)

なるほど、不気味の谷はロボットに限った話ではなかったのですね。


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