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スカラ座でヤングとマクヴィカーのラインの黄金。
どんな演出なのかわくわくしながら観ていると、いかにも神話的な衣装の基本的に原作に忠実な演出が始まる。
アルベリヒは登場時にはサテュロスで山羊の角がある。で、サテュロスらしくスケベ心全開でラインの乙女たちに戯れかける。
ラインの黄金のモティーフとともに一条の光がさすと、全裸(と思ったら褌は履いている)の黄金仮面が横たわっていて、くねりくねりとエロティックなダンスを始める。それと戯れるラインの乙女、茫然と眺めるアルベリヒ。この全裸(ではない)黄金仮面がラインの黄金なのか。
ってことはアルベリヒはこの黄金仮面を誘拐するのだなと見ていると、黄金の仮面を剥ぎ取って去っていった。このあたり記憶はあいまいなのだが、愛の断念でサテュロスの角をもぎ取っているかもしれない(ニーベルハイム以降は角がないように見える)。
一転、天上では右に階段、左に塊の妙なヴァルハラに神々が集う。ヴォータンはふつうに片目、槍を持ったヴォータン。フリッカは髪の毛を羊の角のようにくるりんと二つ巻いている。各自歌わないときは仮面を被っている。ドンナー、フローは三角に見える小山のようなぶかぶかの衣装(特にドンナーが美声で聞きほれる)。フライアだけは白いスラッとした衣装で一人だけ雰囲気が異なる。
ファフナーとファーゾルトは竹馬に乗った男とその後ろの半裸の男の2人で1組。半裸男はそれぞれ手足として動く。最初、歌手が半裸男(それにしては良い男っぷり)だと思ったら、竹馬のほうが歌手だった。なんか安定しなさそうだが、そんなことはなく堂々たる歌いっぷり。
圧巻はローゲで3人一組(見事に体は重ねている)で千手観音みたいにそれぞれが腕を動かしてチラチラ炎を示す。髪は赤。このローゲは軽やかで実に素晴らしい。
ニーベルング族は侏儒かなと思うくらいな連中(明らかに子供とわかる人もいるが、どろどろの服なので本当に侏儒も混じっていてもわからない)。
エルダはマイヤー。
ドナーが実に朗々たる良い声で雷を呼び出す。
神々は階段を上り、階段が雛壇となる。
ローゲが去り際にフライアとちょっと絡む(見つめあう)が演出意図は読めなかった。血まみれのラインの黄金が蠢く。
ヴォータンはフォレの代役でブラウンリー(ミュンヘンでも歌っていた)。悪くない。
とにかくローゲの出現シーンの腕の炎がすべてを持って行った感はある(場内に笑いが誘われている、というか実際可笑しい)。
結構、金管がひっくり返って、スカラ座ってこんなものなのか? とも思ったが、全体として大満足。
スカラ座でちょっと驚いたのはトイレで、数はそこら中にあるのだが、少なくとも男性用は個室が1つあるだけ。平土間用には男女兼用の入り口のトイレもあり、中は個室が2個(見た感じでは)。小便器もなければ、チップの鉢もない。意表は突かれたがこれはこれでありのようだ。
拍手はフライアが一番大きかったような。美しいフライアだった。
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