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日々の破片

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2018-02-04

_ スリー・ビルボーズ

妻に誘われてスリー・ビルボーズを観に行く。

全然内容を知らないまま観始めると(ビルボードトップなんちゃらの連想からショービズものだと思っていた)、タイトルのスリービルボーズの後ろにミズーリ州エビング外れ、というのがついているし、田舎道だし、運転しているのは険がある女性だし、ロードムービーか、それとも看板の近くにバグダッドカフェみたいな店があってそこで働く話か? と思って見ていると、看板が三基出て来て、ビルボードって立て看のことかと初めて意味がわかった。女性は看板の広告会社をメモして去って行く。

その一方で、ショービズものという先入観から抜けきれないので、サーカスかショーの広告を出すのか、その看板の近くに小屋を立てるのかとみていくと、広告屋に入っていく。向かいが警察署なのが強調される。うん? と思いながら見ていると看板の古さと裏腹に妙に若くて性格が良さそうな兄ちゃんが広告屋で、彼女が見せるコピーに対して、事件がどうのという話になる(もしかするとここで窓から見える向かいの警察署が強調されるのだったかな)。間抜けと貧乏人しか通らない道沿いの看板みたいなセリフが出てくる。

翌日、パトロール中の警官が看板を塗り替える作業に気づく。怒り出す。

警察署腐敗告発ものの映画なのか? と思いながら見ていくと、微妙に異なるようだ。

ここでも、看板の立地について間抜けと貧乏人みたいな言葉が出てくるが、女性が住んでいるのはまさにその道沿いだ。

こちらは先入観で悪徳警察署の腐敗告発ものと思って見ているので、署長が犯人か、または警察署ぐるみで身内をかばっているのかな? と思ってい観ている。やたらすさんだ警官が出てくるし、差別主義者なので、こいつか? とか思う。

が、全然異なる方向に話が進む。というか、署長がやたらと良い人だったり。

映画というよりは、テレビみたいだと妻が終わった後言っていたが同感だ。やたらとBGMが流れるし、ときどき美しいシーンがあるが、たいていはバストショットやアップだ。

すべてを語るわけではないから、脚本は映画っぽい。

主役の警官が怒って飛び出してから新任の署長と顔を合わせるまでの一連の流れはブツ切れではあるが、きれいに流れて映画っぽかった。というように、ところどころ良い。

警官側の主役の母親がやたらと容疑者追い詰めに詳しいのと、父親の不幸に対するほのめかし、住んでいる家がわりと良い場所のようだとかから、父親は警部で殉職した(犯人は黒人)とかかな? とか。

最後、エクスターミネーターコンビのロードムービーが始まりそうなところでおしまい。

とにかくストーリーの作り、脚本は映画(後から家族で話し合ってなるほどあれはそういう意味かみたいなものがお互いにあったりするくらいに、うまい。愚かな説明がほとんどない)だし、役者も悪くなく、一体どうなるのかという意味でのサスペンスもあり、それぞれの人物がそれぞれに背景を持っているし(というのも映画っぽい)、BGMがうるさいことを除けば良い映画だった。と思わなくもないが、やはりテレビっぽいな。細かなエピソードの入れ方(表現方法)がテレビっぽいのか(例:イヤホンでのっていると署内がざわついているのが見えるあたりとか。意外性と発見がなくて紋切り型なのだ)。

予告編では、空海(なのかな)が実はチェンカイコーのむちゃくちゃな活劇映画とわかって、観に行くことが確定した。


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