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日々の破片

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2022-01-15

_ クライマッチョ

105歳でも映画を撮ったオリヴィエラには及ばないまでも着々と記録を近づけつつあるクリントイーストウッド91歳でのクライマッチョを観に豊洲。

グラントリノのあたりから自身が主役を演じるときは明らかに次世代へのバトンタッチというテーマが続いているが(運び屋もそうだったからだけど)ついに年齢は孫の世代になってしまったな。

観終わってまずとにかく良い映画だったという感想が一番だった。気分が実に良い。

最初に白黒写真が動き出して過去の幻影が出てくるので、実は荒野のストレンジャーやペイルライダーみたいな亡霊なのかと思ったら全然そんなことはなく、かといって過去の落とし前をつけるために再び挑戦という許されざる者でもなく、普通に恩義と約束の問題として、テキサスからメキシコに子供を誘拐に行く元カウボーイの爺さんだった。

時代を1970年代としたのは、そういったカウボーイの最後の世代がそのあたりだったのかな?(あと、メキシコと合衆国の国境が緩いというのもありそうだ)

その子供は(セリフからはもっとひどい虐待もあったようにも読めるが)母親の愛人からひどい痣が残るほどの暴力を受けて家出して闘鶏(警察の手入れが入るところをみると非合法っぽい)で暮らしている。というわけで相棒がマッチョという名前の雄鶏なのだった。

で、イーストウッドと子供(6歳の写真で数年たっているとかだから13歳くらいなのかな?)のロードムービーが始まる。ロードムービーだったのか。

自動車を盗まれたため、二人と鶏が道路を歩くシーンが印象的。鶏ってなかなかの役者なのだな。

盗んだ自動車でたどり着いた町のカフェの女主人と共感が芽生える。自動車が故障したせいで礼拝堂で寝泊まりが始まる。

野生の馬を調教して金を稼ぎながら子供に乗馬を教える。(別に過去の事故のトラウマが襲うペイルライダーとはならない)

(見るからにスタントマンだったり、乗っている馬のあぶみを黒子が曳いていたりするが映画としては全然気にもならない)

馬を馴らしつける姿を見て子供がマッチョだ、と呟く。これも良いシーンだ。

イーストウッドは馬の調教の腕を買われて馬主のところに居つく。動物のお医者さん(ではないわけだが)という評判を聞きつけて犬に噛まれた羊やら、豚やらを連れて近所の人がやってくる。おれはドリトル先生か? と軽口を叩きながら気楽な生活を楽しむ。不穏な空気を保安官補がたてるが、奥さんの飼い犬の面倒を見られるか値踏みしているだけだったようだ。

(なんか前半の緊迫感からうってかわったリラックスした映画になってまるで捜索者みたいだなぁと思いながら観ている)

女主人の娘夫婦は病気で亡くなり孫が4人いる。1人は特に年齢が高そうで子供と良い仲になりつつある。一番小さい子供は耳が聞こえないか喋れないかだが、イーストウッドになつく。なぜかイーストウッドは手話ができる。

が、子供の母親の追手が迫る。母親が手配したらしき連邦警察が保安官補にグリンゴを見たら教えろと話しているのを観て町を去ることにする。(でも多分、保安官補は密告はしないだろうなぁと観ていて思った。奥さんの犬の恩義もあるし)

どれだけ待ったか見当もつかないが国境につくと(その前に子供が怒るシーンがあるが、イーストウッドが山をさして「あれを越えると自由がある」と言うのも良いシーン)父親はちゃんと待っている。金のためとは言いながらもおそらく本気で子供を取り戻したかったのだろうとは思う。子供をハグする。

イーストウッドは町に戻る。

その他印象的なシーン:

テキサスからニューメキシコまですごくテンポが良い(前提条件の提示部なのだが少ないセリフと少ない尺でまったく無駄なく全部説明している)。ヒッピー娘と国境警備員のエピソードはどうしても入れたかったのだろうがなぜだろう?(時代を示せるとか何か理由があるはずだが)

子供が警察に賄賂を渡すところがスマート

追跡者の再登場が恐怖映画

追跡者の最初の登場シーンで、村人が子供を連れ去るグリンゴよりも、子供を虐待する親父のほうが悪人と瞬時に了解して袋叩きにし始めるシーン。これ日本だとこうはならないだろうな、と思った。

その直前の殴るシーン。

礼拝堂での子供の信心について。

食事をするときの祈祷と、一応目を瞑るイーストウッド。

隣に腰かけたイーストウッドに手を伸ばす幼児。


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