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日々の破片

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2011-09-28

_ 紙の本はどこへ行くのかな

喫茶店でモーニング読んでたら古本屋のマンガがあって、何気なく読んでいたらうかつにも死にそうになった。そりゃおれは読書人だから本は好きだ。良い点をついてくるマンガだな。

が、紙の本にこだわるのはあまり意味がない。

以前、100ドルPCを途上国で配布するという話があったときにも考えたが、そもそも紙の本が流通できるというのは奇跡的な話だ。

紙は火にも水にも弱い。しかも重い。

日本の場合は、江戸時代あたりから出版が成立していたけれど、火に弱くて水に弱い(日本は湿気が多いし)はともかく、重いに関しては水運が発達していたからどうにかなった側面はあるだろう。

が、想像してみるアフリカ。キンシャサとかの都会はともかくとして、数10キロ単位からへたすれば数100キロ単位でサバンナやら砂漠やらをまたがって点在している部族の集落にどうすれば、紙の本を配布できるのだろうか? どう考えたって、学校と教科書という組み合わせ自体に無理がある。トラック? 本よりまず生活資材の運搬で精いっぱいなんじゃないか? であれば、100ドルPCに対して衛星から教科書をダウンロードさせるほうが遥かに合理的だ(発電は手回しとか自転車とか+バッテリという前提なわけだし)。同じ入れ物に年毎とか学期毎に異なるコンテンツをロードして繰り返し使う。なんと合理的なことだろう。

つまるところ、紙の本というのは非常に贅沢な代物で、

・炎に対して安全なかつ湿気に対してそれなりに安全な保管場所が確保でき、

・文化を輸送できる程度に輸送機関が発達していて、

・その場で配布することで収益を得られるだけの人口が存在し(本屋があり得る最低条件)

とかが必要なのだ。おまけに40代越えて老眼になると途端に読めなくなるとか、肉体的に致命的な悪条件まである(紙に印刷したら拡大とか自由にできないしね)。

竹簡から巻物になり冊子になる。

重要なのは文章で伝えるべき何かであって、つまり、リソースが重要なのであって、リプレゼンテーションが洞窟の壁なのか竹なのか巻紙なのか冊子なのかはどうでも良いことだ。

---追記

このマンガらしい(terazzoさん多謝)

草子ブックガイド(1) (モーニングKC)(玉川 重機)

(最新刊をきちんと置く喫茶店じゃないので、僕が読んだのは古い可能性が高い。ちなみに老人と海のやつ)

老人と海 (新潮文庫)(ヘミングウェイ/福田 恒存)

(待てよ、連載ってことは、このマンガは読書感想文マンガなのか?)

本日のツッコミ(全4件) [ツッコミを入れる]
_ ogijun (2011-09-29 07:51)

ぼくはよくMacBookにコーヒーこぼしたりしてるので思いますけど、コンピュータは水に弱いです。たぶん火にも弱い。紙は水につけても大抵そのまま読めるし、1枚だとあっさり燃えちゃいますが本の形をしている限りはなかなか燃えないので、水にも火にもコンピュータより強そうです。<br>というようなことを2011年のいま考えていると、紙の重さとか値段とか、高度に最適化されたメディアだったんだなあとか思う。読むときにネット要らないし、電気も要らないし..。

_ arton (2011-09-29 08:33)

まあそうも言えるな、と途中まで読んでたけど、残念、電気(明かりの意味で)は要るよね。多分、コンピュータは上の物理メディアで行くと、流石に洞窟の壁は越えているけど、まだ竹簡ていどじゃないかなぁ。

_ arton (2011-09-29 09:56)

というわけで、どこまで薄くできるか丸められるかにかかってくるけど(腕に巻いて持ち運ぶのが理想)、とりあえずiPadが生活防水(携帯電話程度)にまでなった状態あたりを議論の出発点にしないとだめかな。あと、1000種類1000冊のメディアと1000種類1媒体のメディアということまで視野に入れないと保管と移動は語れないよ。

_ ishisaka (2011-09-29 10:42)

まぁアラン・ケイのDynabookははじめからシャワーの中でも使えることが前提ですしね。


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