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日々の破片

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2024-03-04

_ 三鷹まるごと博物館(1)

天気がそこそこ良いが、日差しは大して強くないし、休暇を取ったので、以前から興味津々だった野川の近くの横穴墓を見に行くことにした。

確か、野川公園の中だったなと野川公園のホームページを調べたが、どこにも遺跡系のことは書いてない。

はて? と調べると、野川の近くとはいっても三鷹だった。

しかし、ほとんど同じ地区なのだから調布と三鷹で共同事業にすれば良いのに(調べるのが楽だし)と思ったが、縦割り行政ってやつだな、しょうがない。

幸い野川公園の駐車場からそれほど離れてはいないので、予定通り野川公園に行って駐車場に停めて、そこから歩くことに決めた。

で、東八道路を天地神明館を横目に坂を下って野川公園のあたりに来て駐車場の矢印を左折したら、うんざりするほど遠い。なんて広い公園なんだというか、うかつに東八道路近くの駐車場に入れなくて良かった。が、道間違えたか? と不安になるくらいに延々と細い生活道路を進んで矢印に従って左折すると妙な建築物が出てきた。これなんだ? と思ったらアメリカンスクールだった。ほう、ここにあるのですな。

としばらく行くと駐車場が出てきて停めた。(公共駐車場だからそんなに高くはないだろうと見もしなかったが結局最終的に600円だった)

で、野川公園は無視して出口を出ると五差路か六差路の三角地帯に妙な神社があって幸先が良い。これはいろいろ楽しめそうな散歩になりそうだと嬉しくなる。

竪窂地神というのは初めて見た。

で、大きなといっても片側1車線の道に出るとかって知ったる人見街道で、まるでスナックのような古物商(営業時間外っぽい)があったりするが、ふと見ると看板が出ている。妙な神社の説明かと思ってみたら、近藤勇の生家跡とある。

妻が、日野なんじゃないか? と言い出したが近藤勇と書いてあるし、結局、土方歳三は日野だが近藤勇はこのあたりだということで落ち着いた。どうでも良いが、実家の庭には土方歳三の家にあった石灯籠というのが置いてある(祖父が買った)のだが、騙りに掴まされたんだろうということで落ち着いている(ので、多摩の奥のほうだという印象は確かにある)。

で、案の定いろいろ地図が道にあるので水車通りというのを通ってまずは水車小屋を眺めてから、横穴を見て、ついでに古民家を見ようとコースを決めて歩き出した。

・家に帰ってから水車小屋や古民家でもらったパンフレットを見ると掩体壕とかほかにも見たいものがたくさんあって、再訪を期すことになるのだが、そのときは気付いていない。

で水車小屋ということから、神宮前小学校に置いてある模型みたいなものを想像していたらびっくり仰天。圧倒的におもしろい。

水車通りから入ると裏手に出て、そこにも見学は~という看板があるのだが、封鎖されていて入れない。一体どういうことだとプンスカしながら表に出たら、そちらが本当の入り口らしく入場料200円を払って中に入った。

茅葺の母屋は修繕中(クレーンで持ち上げて耐震用の土台に交換するらしい)で入れなかったが、脇にある水車小屋の中に通されたら、複雑怪奇な木の歯車(万力と呼ぶらしい)を組み合わせた巨大な産業機械(木製)がどーんとあった。直径4.8mということだ。

係の人がスイッチを入れてくれると凄まじい音と共に水車が回り始める(回りの機構との連動装置は外してあるので動かないが、どう動作するのかは想像がつく)。12rpmということは分速4.8×π×12m の流れということだな(野川がそれだけの速度かどうかはわからないが、水を引き込んで一度貯めて流すような機構になっているらしい。これの遺構も見逃した)

なるほど、これが産業用の水車なのか。水流ってすごいな。全盛期(明治~昭和初期)には近郊で256(きりが良過ぎるから端数は間違っているだろう)箇所にあったらしい。

近郊の農家と契約して挽いたり撞いたりする集積所の役回りでもあったらしいが、1杯あたりは安いとか説明ビデオで言っていた。粉にしたら船に乗せて出荷するのかなぁ。が、電化されるとあっというまに駆逐されてしまったらしい。木だけに擦り減りも早そうだしわからなくはないが、それにしても凄まじい仕組みだ。

回転運動をいろいろ変化させるための仕組みがいっぱい。

篩が重要とかいろいろ。

大唐泥犁獄(陳漸)

大唐泥犁獄の水流と木の歯車のストリームパンクもあながち出鱈目とは言い切れないな。

実におもしろい。

で、妻がトイレを使おうとしたら案内の人に、ここのは古い家屋のやつが使われていて(便器は新しくしたらしい)あまりよくないから、古民家のほうに行ったほうが良いと言われる。

では、横穴は後回しにして先に古民家へ行くか、となって水車小屋を後にした。

_ かっこいい発明家の叔父さん

水車小屋で一番おもしろかった(感銘を受けた、までは行かないがなんか感じ入った)のは、最後の水車小屋経営者(この人が廃業後も小屋を確保していたので、現存する水車小屋として三鷹市が生きた博物館として公開できるようになった)の叔父さんの存在だった。

水車小屋で観た展示説明ビデオのうろ覚えになるが、叔父さんは日露戦争で砲兵だか工兵だかで戦って、技術者魂に目覚めるのだが、最終的には家業の水車小屋経営に落ち着く。

が、そこにとどまらずに、次々に新たな万力(歯車)の改良改善拡張に励んでどんどん機構を作っていく。

その結果、臼に入れた種籾ということになるのかな? が無くなるとガラガラが鳴って空挽を防止する仕掛けを作ったり(これは単純な仕組みなのだが、そうは言ってもどこにでもあるわけではなさそう)、挽き終わった粉を自動的に運搬して袋詰めする機構(とは違う気がするが、終わったものをベルトコンベアではないが自動的に移動させる機構)などの仕掛けを作り出して行く。

それを中央でグルグル回る直径4.8mの水車の動力で賄うのが実にしびれる。

使っているのは水力と木工なのだが、やっていることは経理部で働くEUC大好きExcelマクロおじさんとか、DevOpの神髄は自動化にありとスクリプト書きまくりマンとかの技術者スピリットと同じじゃん。最高にしびれるタイプだ。

(というおじさんの水車小屋経営に同じくしびれた最後の管理者が、おじさんが残した水車とその周りの機構群をどれだけ大切にしたかもわかりまくる。Excelマクロおじさんの仕組みを解きほどいてエンプラ機構を作り出すみたいな感じで継承ー発展させるみたいな)

・とあらためて書いて気づくわけだが、おれは、だから本当にここの水車小屋がおもしろくてたまらなかったわけだな。

と、ちょうどアカデミー賞の長編アニメーション賞を『君たちはどう生きるか』が受賞したので、発明家(とはちょっと違うが、なんかバランスを取る積み木が万力組み合わせでさまざまな加工を行いまくる水車から思い出された)の叔父さん繋がりであらためて思い出した。

フィルムコミック 君たちはどう生きるか(上) (アニメージュコミックススペシャル)(宮﨑駿)


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