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日々の破片

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2021-01-09

_ セブンティーンアゲイン

妻が観ようというので、アマゾンプライムでセブンティーンアゲインを視た。

監督も何も知らないが、滅法おもしろかった。なんか、オタクマンガというか、異世界転生もののバリエーションみたいに思った。

主人公は高校3年生のときに、大学から特待生扱いでスカウトされて、そのままプロに進むことが能力的に余裕で保証されたスポーツマンだ。ところがガールフレンドを妊娠させてしまったために、そのまま二人で所帯を持つために高校を中退し地元で地味なセールスマンとして過ごして中年になっている。

子供が二人いて、娘は高校3年生、息子は1年生(だと思う)で、妻は庭園デザイナー(の成りかけかな?)だが、家庭生活はあまり良いとは言えず、離婚秒読み段階。

だけだと、全然オタクマンガでも、異世界転生もの(オタっぽい主人公が異世界で特異な能力を生かして大活躍)にも見えず、いわゆるリア充のその後っぽいが、そこが一捻りあるところがおもしろいと思った。

まず、主人公の高校時代の友人は、これは本気のナードでバスケ部員からのイジメ対象にされているが、主人公だけは彼の趣味を認めて庇っているし、事実仲が良いのだが、この友人が長じて、超一流のプログラマーとして大成功して大金持ちとなっている(30インチクラスのモニターを30台くらい並べた部屋で複数のゲームを同時プレイしまくっていたりする)。

で、この男と楽しくオタジョークを言い合っているわけだから、要はイケメンでスポーツもできるオタクという設定だったのだ。

で、セブンティーンアゲインという題名通り、17歳の自分に戻ってしまう。ここで戻るにあたって、雨の中、鉄橋から河へ飛び込もうとする男を救うという素晴らしき哉、人生のパロディになっているわけだが、おれの知らないものを含めて全体がいかにもそれっぽいパロディのオンパレードになっている。

異世界転生ではないから、17歳に転生したが世界はそのままで、どうにもしょうがないので、親友の息子というふれこみで再度高校に入り直してバスケをやることになる。

このあたりから、どんどん映画そのものもオタクっぽくなっていく。

特にうまいなと思ったのは、もちろん凄まじいスポーツマンではあるが、性格的な発言や、力はありそうなのに、暴力にはやられっぱなしな平和主義者なところとか、要は映画のターゲットに対して同じ側の人間であることを示すための仕組みがいろいろあることだ(いや、お前、オリジナル17歳のときは妊娠させてるじゃんと突っ込みたくなったりもするが)。

紆余曲折あって娘に惚れられたりもするが(ちょっとバクトゥーザフューチャーで母親に惚れられるところを思い出さないでもないが、あの映画のマーティンは明らかにオタクではない。全体としてネタが違い過ぎるので、特に意識はしていないだろうと思える)、ジャック・ドゥミーの映画ではないので、そこはクリーン(まあ、アメリカの青春映画なんだから当然だろう)。

特に大爆笑したのが、親友(金はあるがまったく女性に縁がないし、縁がないのも当然だろうという描写が山ほどあり、しかも本人が本気で自覚しているわけだが、いちいちこれらが、この映画のスタッフは本物のオタクっぽい目線を感じさせる)が、一目惚れした高校の校長を口説くシーンだった。

自分が何をやってもうまくいかない例として、ガンダルフの杖を馬鹿高い値で入手したことを話した瞬間に、うんざりしていた校長が「本当にバカね。灰色は第一部で、白い杖が出てくる第二部では白い魔法使いよ」と言い出して(きちんと記憶できていない。杖の色か魔法使いの色の話か、それが逆転しているので偽物という話だったか)、そのまま二人でエルフ語(通信教育で習得)で会話が弾みだすところだ。ここは最高。

と、想像をはるかに超えておもしろかった。

セブンティーン・アゲイン(字幕版)(ザック・エフロン)

(それにしても終わらない思春期問題を抱えた映画のような気もするな)


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