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日々の破片

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2018-12-19

_ ENBアクラム・カーン版のジゼル

東劇でジゼル。ジゼルはタマラロホ。

ENBって何かと思ったら英国立バレエなので、ロイヤルも国立のはずだが? と不思議に思ったら、子供がロイヤルは王立だから両立するんじゃないかと言う。おもしろい。日本でいうと(確かそんなものはないと思ったが)国立雅楽団とは別に宮内庁雅楽部(これはある)が両立するようなものかな。それとも王立系は、国とは別の収入があって別会計なのだろうか。だとしたら、日本も天皇家が独立することもできそうな気がする(各地の陵を開放して入場料をとったり、御苑とか離宮とかを戻して入場料を得たりとか)。そういうある種の国と異なる収入で自立すると、当然、各神社からみかじめ料を徴収することになるわけで、金を払うとなると文句も言いたい放題で、靖国が反乱を起こして別天皇を立てて都内で南北朝時代に突入とか実に楽しそうだ。

いきなり地響きのような超低音でリズムが刻まれ、弦の不協和音で始まる。アクラムカーン版というのはこういうことですかと、完全なモダンバレエなジゼルとは考えていなかったので度肝を抜かれる。裸足のジゼルか。

ヒラリオンと王子の対立、村人の群舞で逢瀬を引き裂かれるジゼルと王子、後ろの手形がたくさんある壁が、村の世界と王様の世界を分断する象徴となっていて、王子だけがそれを開けられる。肉体の動きと音のすさまじい迫力で目を離すこともできない。

王様の世界でのヒラリオンが被る帽子は何の象徴なのだろう?

婚約者の傲慢っぷり(ジゼルにバンドのようなものを与えずに落とすとか)。花占いは無いと思うのだが、後半バラの赤のようなものが見えたような気もするが気のせいかも。

2幕ではトウシューズを履いて出てくる。さすがにヴィリは空気よりも軽いのだからトウで立たなければならないのだな。ヴィリの女王とジゼルは槍(ではないと思うが、何か生命の交換に利用するらしき棒)で戦う。今度は壁は夜の世界と昼の世界を分断するものとして最後王子は解放される。

ヒラリオンは逃げて溺死ではなく、ヴィリに嬲り殺しになり、目には見えない水辺だとしたら、まるでバッコスの信女に八つ裂きにされるオルフェウスのようだ。

とにかくとんでもなく素晴らしい舞台(映画だけど)だった。

文句なく大傑作。

クレジットにはアダンのオリジナルを元にしているようなことが書いてあるように見えたが(元の曲が聴いたはしから忘れるような普通のバレエ音楽だけに)どこがどう切り出されて変形されたのかはわからなかったが、言われればそうなようにも思う。不思議な感覚だ。


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