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日々の破片

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2016-08-06

_ 箪笥町のカプレーティとモンテッキ

ミャゴラトーリのカプレーティとモンテッキを観に箪笥町。この集団の舞台はこれが初見。

着いたら異様に行列していて区民ホールの警備員がいろいろばたばたしていて驚いた。すげぇ人気じゃん。会社を無理やり早めに出て良かった。

子供が、「もしかしてメゾンカイザーの近く?」と聞くので「そうだけど(何度か来たことがある場所だったのだった。それにしても区民ホールというよりもマンションに見えるのでこんなところにホールがあるとは気づきもしなかった)、終演時には終わっているんじゃない」「だよねー、がっかり」みたいな会話をしながら始まるのを待つ。

白塗り黒服のおっさんがゾンビのようにふらふら出て来て、はてどういう演出か? と思ったら舞台に戻って指揮を始めた。こんな指揮者ははじめてだ。

カプレーティ一家のギャング達が集まって、歌い始める。これは良い演出だなぁと驚いた。

(以前ディドナートがロメオを歌った舞台の録画を観て、なんと直截的なロメオとジュリエットなんだと驚いたが、この演出はシェークスピアではないロメオとジュリエットを実にうまく利用している)

若頭のテバルド(シェークスピアのティボルド)が剣をぎらつかせて歌う。悪くない。

ロメオが良くわからない子分3人連れて登場。このロメオの歌手(寺田宗永)、すごく好きな声だ。子分3人はあっという間に惨殺される。カプレーティ親分に銃を突きつけられても平然とするロメオ。

それにしても、ロメオの強運っぷりがモンテッキ組の躍進の秘密なのだろう。

物語としては、ジュリエッタのぐずっぷりが不快なのだが(しょせんヤクザの跡取り娘だから、そりゃそう簡単に一家を捨てるわけにはいかないだろうが)歌は美しい。

休憩時間にあたりをうろうろしてみたが、そこら中に小汚い禁煙ポスターが張りまくられていて、ここまで汚くするくらいなら禁煙解除したほうがよっぽどきれいなんじゃないか? と不思議になる。新宿区というのは、奇天烈なところだ。

2幕。

ロメオとテバルドの対決、毒を呷ったロメオと復活したジュリエッタの二重唱、いずれも良い。

最後亡霊が大量に出て来て(亡霊集団をロレンツォが引き連れてきたようでもある)ロレンツォがカプレーティ親分の責任を問う。

待て、この演出はおかしいぞ。

死者が人間の責任だというのは良い。しかし、指揮者が死者の扮装をしているのは、おかしくはないか? 責任が人間であるならば、指揮者もまた人間であるべきだ。とか、考えてしまうわけだが、血を流していないからおそらく死者でも人間でもなく、超越者なのだろう。

それはそれとして歌は良いし、演出もダイナミックでおもしろく、伴奏のピアノの表現力というのはすごいものだなぁとか、実にいろいろ楽しめた。

こういう団体もあるのだな。


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