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日々の破片

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2011-05-23

_ パイレーツオブカリビアン4

土曜日に、パイレーツオブカリビアン4を観にモラージュ菖蒲へ行った。

できれば前日に予約をしたかったのだが(iMAX3Dな箱は席が少ない気がするからだが)、前売りを買ってしまうとだめなのであった。

で、15時あたりの字幕版を予約して飯食ったりうろうろしたりしながら、観た。びっくりするくらい空いていた。4列埋まっていたかどうかというところ。

・海賊に飽きた

・iMAX3Dは箱代が高価だから避けた(多分、iMAX用に作った映画じゃないだろうし)

・字幕は人気なし

のいずれかまたは全部が理由だろうなぁ。

映画そのものは普通におもしろい娯楽作品なのだが(回を追うごとにバルボッサがどんどこ漢っぷりを増していくのはなぜなんだ。2回演説するが、どちらもいかしているし、ギブスの今ひとつ使えなさっぷりも増していく(でも最後は大逆転かも)し、人魚はそれはきれいだし、つまらない要素は何一つ無いのだが)、はて、どうもおれはこういう映画はそれほど楽しめないぞと気付く。突然気付いたのではなく、ハリーポッターとかを観ていてもそれほど楽しめないのだが、理由がなんとなくわかったような気がした。

コンテキストの薄さが理由なのだな。

つまるところ物語がすごいスピードで展開していってもコンテキストが薄いから、上っ面が変わっていくだけで何も変化しないから退屈なのだ。

パイレーツ・オブ・カリビアン/生命の泉 DVD+ブルーレイセット [Blu-ray](ジェリー・ブラッカイマー)

でも、これって難しい。

すごい速度で流れているにもかかわらずいきなり濃縮300%みたいなコンテキストの厚みをぶつけてくる映画もあるわけで、おそらく良く例に出てくるのはバックトゥザフューチャーのプロムのシーン。マイケル・J・フォックスがギターをひきまくってダックウォーキングとか始めると、黒人ミュージシャンがあわてて従兄に電話する。「はいチャック、すげぇ音楽だ」

このおもしろさを噛みしめている間にも物語は先へ突っ走る。退屈する暇はない。

あるいは、映像そのものが多層的に意味を重ねられている場合も同じようなものだ。物語は何も変わらなくてもシーンの積み重ねによって退屈する暇がない。

前者は物語の意味を多層化しているわけだから、複雑な和声進行みたいだし、後者は音色旋律みたいなものだ。

それでいくと、どうも物語的には十分におもしろそうなのにわりとつまらんなぁと感じるのは、クレメンティのソナチネみたいだからだな、と気付く。自分で弾けばそんなものでも楽しいのだが、聴かされるとそれほどおもしろくない。KISSの法則は必ずしも万能ではない。

そこでふと思い出したが、部屋の外に出て階段を下る(アパルトマンだと思う。他人も住んでいるからだが)と、クレメンティかクーラウが流れてくる映画があったが、あれは何だったろうか? トリュフォーかなぁ。

ソナチネ・アルバム(1)(クレメンティ/クーラウ/ハイドン/モーツァルト/ベートーヴェン/シューベルト/ウェーバー/メンデルスゾーン/藤原亜美/渚智佳/オムニバス(クラシック))

(へー、こういうCDもあるのだなぁ)

_ 名無しのオプカリビアン

ダシール・ハメットが、探偵小説家という文学界の3級市民の立場がいやでたまらず、ヘミングウェイという芸名で1級市民デビューしたことはあまり知られていない。

まず、文章に染みついたサンフランシスコの下町臭さを洗い流すために、カリブ海の孤島で長い休暇を取った。その地で彼は運命的な事件に巻き込まれる。でっかなマグロ漁船の乗組員と親会社との血で血を洗う抗争(この事件をプロレタリア文学目線で記述したのが蟹工船)がそれだ。彼自身はそこで抗争の終結のためにずいぶんと汗を流したようだが、すでに名無しのオプやサムスペードはコンチネンタルへ置いてきている。そこで事件を抽象化して1級文学に昇華させたのが、老人と海だ。

後には骨しか残らない。

老人と海 (新潮文庫)(ヘミングウェイ/福田 恒存)


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