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日々の破片

著作一覧

2006-02-28

_ プロトタイプ無しの場合

引数の型をそのまま利用している。VC++8の場合、charやshortは符号拡張して32ビットをスタックに積む。

なんか、全然K&Rの仕様をわかっていない(もしかしたら15年以上前はわかっていてその後きれいに忘れたのかも)ことがわかった。

_ なんどでもクォート

しかし「未来を作った人々」によれば、PARCがLisaとMacintoshの設計者たちに及ぼした影響で最も重要なのは、おそらく精神的なものであり、訪問後にLisaの設計者たちが出した設計要綱は、アラン・ケイやラリー・テスラーの精神の完全な開花と言えた。何しろそこには「Lisaは使って楽しくなければならない」と命じているという。

続けて「このシステムは『仕事だから』とか『上司がやれというから』使うようなシステムにはしない。Lisaを使うことそのものが報酬となって、仕事が充実するよう、ユーザーとの相互作用における友好性と機微には特に注意を払わなければならない」とあるという。

−−スティーブ・ジョブズとパロアルト研究所物語(改編版)

クォートすべきことはこれに尽きるし、しかもすぐに忘れてしまうのだから、何度でも思い出せる機会には思い出しておかなければならないのだが、僕がこのエピソードで最も好きなのは、Appleの連中が本気でAltoがなんなのかを知りたがり、しかもそれを食ってしまったことだと思う(姿はわかっていても、それが実装可能かどうかは良くわからないという状態だったのだと想像される)。

_ 目的指向と放矢指向

CodeZineの『自作HTTPサーバーのマルチスレッド化』でちょっと触れたが、リファレンスを目的指向で利用すると罠にはまることがある。

事典とか辞典とかって、本来的には特定の項目を調べるために目的指向で紐解くものだけど、無目的に関連知識を拾い読みして知識を増やしていく。実際にはそういう使い方をまずすべきなんじゃなかろうか。

多分生まれてから最初に触れるリファレンスというのは、国語辞典かさもなければポケモン事典(僕の場合だと怪獣大事典か、妖怪大百科とかだったりしたはずだが)みたいなものだと思う。で、大抵の場合は実際にはそれほど目的指向で利用することはないのではないかと思う。つまり、「えーと、この目玉の化け物ってどんな特徴があるんだっけなぁ……」みたいな引き方はしないで、適当に開いたところで面白そうなのを拾い読みして、関連項目とか宿命のライバルとか相性が悪いとかといったリンクをたどってどんどん拾い読みしていくという感じ。

そういう読み方であらかじめ周辺に転がっている情報を見ておかないと、Runnableにたどりつけない(という例を出したわけだが)のと同様なことは結構ある。個人的には、Calendar.MAYだのCalendar.MARCHだのの存在にまったく気づかなかったとか。Calendarは当然、知っている。で、Calendar#setでフィールドを指定するというところから、Calendar.HOURとかも見ているのだけど、山ほどある定数からHOURとか調べる過程では当然MAYみたいなものを目にしているはずなのに目的とは異なるから見た先から見落としていく。当然知識としては取り込まれない。したがって存在そのものに気づかない。

これははっきり言って無駄に思える。だからあらかじめぼつぼつ拾い読みしといたほうが良いのではなかろうか。

ただ、あくまでもこういった○典は個々の情報の内部のリンクは意味があるけど列挙方法それ自体にはあまり意味がないから先頭から順番に読んでいくというのには向かないし、そういう読み方をすると飽きてしまうものだ。だから、関連情報をリンクでたどれたほうが良いし、したがってリファレンスを作る場合には重複を恐れずに関連項目への言及はできるだけしたほうが良いかも知れない。

乱調文学大辞典 (角川文庫)(筒井 康隆)

(突然、えらく懐かしい本を思い出してみる。黒い表紙の変形版ーー引用は文庫なので当然違うーーだったが、この頃買ったのは脱走と追跡のサンバを除いてすべて捨ててしまった)

悪魔の辞典とか、乱調文学事典とかはどう読むのが良いのだろうか? やっぱり拾い読みだと思うな。

本日のツッコミ(全2件) [ツッコミを入れる]
_ ムムリク (2006-02-28 16:37)

悪魔の辞典(ビアス)はそれが正しいと思います。一般的な意味においては”辞典”より”事典”のほうが拾い読み的かも。

_ arton (2006-02-28 19:13)

確かに。辞典でも広辞苑とか大辞林クラスになるとまた出典とかがあって特におもしろいです。


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