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日々の破片

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2017-12-26

_ パターソン

アップリンクでジャームッシュのパターソン。

ここはおれの備忘録なのですべての筋を書く。

月曜日。ベッドの中の二人。1人はちょっとエキゾチックでたぶんインド系の人。起きると、相手(ちょっと間延びした顔の男だが、角度によってはときどき男前になる)に、双子を産む夢を見たと語る。あなたも双子好き? ああ、好きだよ。

男、制服のようなものを着て家を出る。バスの運転席に座り、メモ帳に詩のようなものを書いている。同僚か上司のようなインド系の人間と話す。バスが出る。双子が乗っている。パターソンは男の名前であり、この町の名前らしい。

腕時計がアップになりくるくる回る。

男(というかパターソン)、家の前で郵便受けを開ける。郵便受けは朝はまっすぐだったのに、妙に倒れかけている。パターソン、郵便受けをまっすぐに直す。

晩御飯の話をする。インド系の女性のほうが、カップケーキが人気だったことを話す。

奥さん、カーテンを作ったらしい。白地に黒いくるくるがたくさん。

パターソン、犬を連れて散歩へ出る。バーへ入る。ドクと呼ばれるバーテンダー。ビールを注文して飲む。

火曜日。ベッドの中の二人。

パターソン、制服のようなもの着てを家を出る。バスの運転席に座り、メモ帳に詩のようなものを書いている。同僚か上司のようなインド系の人間と話す。バスが出る。双子が乗っている。

腕時計がアップになりくるくる回る。

パターソン、家の前で郵便受けを開ける。郵便受けは朝はまっすぐだったのに、妙に倒れかけている。パターソン、郵便受けをまっすぐに直す。

奥さん、服を作ったのかな。白地に黒いのがたくさん。

パターソン、犬を連れて散歩へ出る。バーへ入る。ドクと呼ばれるバーテンダー。ビールを注文して飲む。

(ちょっと気を失いかけてくる)

水曜日。ベッドの中の二人。

パターソン、制服のようなものを着て家を出る。バスの運転席に座り、メモ帳に詩のようなものを書いている。同僚か上司のようなインド系の人間と話す。バスが出る。双子が乗っている。

(ほぼ気を失いかけてくる。いつがいつかまったくわからなくなってくる)

腕時計がアップになりくるくる回る。

パターソン、家の前で郵便受けを開ける。郵便受けは朝はまっすぐだったのに、妙に倒れかけている。パターソン、郵便受けをまっすぐに直す。

奥さん、自分は音楽の才能があるからギターを習いたいという。教習用DVD込みで200ドル。買ってもいい? よくなさそうではあるが、買っても良いことになる。

パターソン、犬を連れて散歩へ出る。バーへ入る。ドクと呼ばれるバーテンダー。ビールを注文して飲む。

木曜日。ベッドの中の二人。奥さんは全裸。

パターソン、制服のようなものを着て家を出る。バスの運転席に座り、メモ帳に詩のようなものを書いている。同僚か上司のようなインド系の人間と話す。バスが出る。双子が乗っている。

腕時計がアップになりくるくる回る。

パターソン、家の前で郵便受けを開ける。郵便受けは朝はまっすぐだったのに、妙に倒れかけている。パターソン、郵便受けをまっすぐに直す。

パターソン、犬を連れて散歩へ出る。バーへ入る。ドクと呼ばれるバーテンダー。ビールを注文して飲む。

金曜日。ベッドの中の二人。

パターソン、制服のようなものを着て家を出る。バスの運転席に座り、メモ帳に詩のようなものを書いている。同僚か上司のようなインド系の人間と話す。バスが出る。双子が乗っている。

腕時計がアップになりくるくる回る。

パターソン、家の前で郵便受けを開ける。郵便受けは朝はまっすぐだったのに、妙に倒れかけている。パターソン、郵便受けをまっすぐに直す。

奥さん、ギターを取り出して、線路は続くよを歌う。うまいじゃないか。DVD見て練習したから。まだここから先は練習していないの。

パターソン、犬を連れて散歩へ出る。バーへ入る。ドクと呼ばれるバーテンダー。ビールを注文して飲む。

・以上の繰り返しの中に以下のエピソード

・バーで、別れ話と納得しない男のエピソード。最後、男は銃をこめかみに当てる。パターソンが素早く飛び掛かり銃を奪う。ドクが銃を取り、男に向けて撃つ。おもちゃだよ。

・オープンカーに乗ったチンピラ5人組。散歩中のパターソンに向かって話しかける。その犬はブルドッグか? パターソン、びびる。高価な犬だから、盗まれるようだぜ。パターソン、びびる。気をつけなよ。パターソン、びびる。車、走り去る。

・唐突にパターソンの家。扉がいきなり開いて犬が飛び出してくる。郵便受けの柱に抱き着き、倒す。家の中に走り込む。

ウィリアム・カーロス・ウィリアムズ。カーロス・ウィリアムズ・カーロス。

’・詩を書く子供との対話。韻をうまく踏めないの。僕も好きではない。読むとなんか韻を踏んでいて、それをパターソンが指摘する。

・女性から聞いた詩だ。奥さん目を剥く。いや、子供なんだ。

・奥さん、パターソンに向かって、あなたは素晴らしい詩人なんだから、ノートに書いておくだけではだめ。バックアップを取りなさい。コピーすること。わかった、休みになったらコピーする。

土曜日。ベッドの中の二人。

今日は休み。奥さんはカップケーキをたくさん作ってバザーへ売りに行く。

パターソン、箱に詰めるのを手伝う。車に詰め込むのを手伝う。

パターソン、地下室で詩を書いている。奥さんを賛美する詩。

これまでなかったことなのだが、うまく書けたのか、それとも他の理由からか、ノートを持って上へあがる。

奥さん、カップケーキが売れに売れて260ドルくらいになったと喜んでいる。成功を祝って、映画を観に行きましょう。

ドクターモローの島。

戻ってくると、床の上にゴミクズが散乱している。パターソンが置き忘れた詩のノートを犬が粉々に粉砕したのだ。奥さん、犬を叱る。ガレージへ閉じ込めましょう。

日曜日(だと思う)。

パターソンと犬。犬に向かって、パターソン、「お前なんか嫌いだ」とぽつりと言う。

奥さん戻って来て、ガレージから犬を連れだしているのに驚く。

パターソンが落ち込んでいるので、1人にしておこうとする。いや、僕が散歩してくる。パターソン、外に出る。

パターソン、公園のベンチに腰かけていると、永瀬正敏登場。スーツにネクタイ。ふけたな!

ウィリアムズとでっかくカタカナで書いた詩集を読み始める。パターソン、気になってちらちらとみる。

あなたはこの町の住人ですか? 私はウィリアムズが好きです。ウィリアムズはこの町の出身ですね。あなたもこの町の人ですか?

そうです。ギンズバーグもこの町の出身です。ウィリアムズは町医者でもあったのです。

あなたも詩人ですか?

いえ、私はバスの運転手です。

ウィリアムズも町医者でした。実は私も詩を書きます。

どんな詩ですか?

日本語の詩です。翻訳はしません。詩の翻訳は、コートを着てシャワーを浴びることです。

二人、笑う。

永瀬去る。

パターソン、ベンチに腰掛けたまま。

永瀬戻る。

あなたにあげましょう。まだ何も書いていないノート(表紙はカラフルな雲だったかな)をパターソンへ渡す。

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これはもしかしたら、これまで観たジャームッシュの中で最高の作品かも知れない。途中何度も意識を失ったが。車に乗った犬について警告する連中のシーンは好きだ。最後の唐突な天使の登場も素晴らしい。まさか天使が老け顔眼鏡の日本のスーツ姿のおっさんとは考えもしなかった(出てくるのはタイトルクレジットでわかったが、そこまで出てきていないことは気にもしていなかった)。


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