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ユーロスペースでレオスカラックスのIT'S NOT ME。
始るとゴダールみたいにクレジットをいじくりまくりナレーションが入りまくる。
次から次へと映像の断片が提示される。ラヴェルのピアノ曲。そういえば、予告編の日本映画の何かでもラヴェルが使われていたが、ラヴェルの再評価が行われているのだろうか?
飛び込む女性。飛び込む女性といえば生意気シャルロットとかモノクロームセットのレコードとかいろいろ思い出す。水の泡が何かに変わる。
これはいったいなんだろう? と眺めているうちに、どうもレオスカラックス自身の映像とその他の映画、写真などからレオスカラックスを構成するパーツを寄せ集めた自分語りの映画らしいと気づく。IT'S NOT MEのMEってのはレオスカラックスのことなのか。
ショスタコーヴィチ。
子供が夢で見た鮫の話をしながら橋を歩く8mmとは思えないから16mmの映像。こんなの撮って残しているのか。富裕層(レオスカラックスは芸術をやれる立場=超大金持ちの子弟)は羨ましくもある。
ピアノを弾く女性。この曲は良く知っている。ロシュフォールの恋人たちでピアニストの役回りのジーンケリーがダムの家で弾くやつではなかったか? ということはミシェルルグランだろう。良い曲だ。
ヒトラーを褒め称える書物を子供二人を寝かしつけるために朗読する女性。
プーチン、習近平、トランプ(第一次政権だろう)。
暗殺の会場。
ユダヤ人だそうだが、今作ったらネタニエフをどう扱うか? と考える。
ドニラバン(年を取った)。汚れた血の自分を人質に取るシーン。
ジュリエットビノシュ。
そういえば主観映像は使ったことはない。ヒッチコックの映像でうなじを主人公が注視する映像の引用。
いや、1回ある。ジュリエットビノシュのアップ。
モダンラブにボウイのナレーションが被る(ダイアモンドドッグの冒頭のナレーション?)。
ポンヌフの橋の上のジュリエットビノシュとドニラバン。からアバターのようなぴったりしたボディスーツの女性の回転へ移る。
スパークス。
クレジット。短い。
アネットっぽい操り人形がモダンラブに合わせて徐々に疾走を開始する。中断。
とてつもなくおもしろかった。これだけ刺激的な映画は久しぶりで、やはり映画というのは視覚と聴覚がフルに刺激される極端に情報量が多い抜群の媒体だ。堪能しまくった。
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